未知への挑戦

それはスタバでの何気ない会話から始まった。
 
「あぁ、ココアうまいなぁ。」
「ココア好きなん?」
「まあまあ。コーヒー飲まないから、店だとココアや炭酸をよく頼む…。そうだ!」
「どしたん?」
「炭酸のココアってどうよ。新しくない?」
「(笑)新しいよ。時代を10年先取りしてるよ。今は理解されないな。」
「天才はその時代には評価されないって法則だな。」
「ココアソーダはいつまでたっても評価されないだろうけど。」
「え、ココアソーダあかんかなぁ?」
「いや、あかんやろ。」
「まあ、いっちょやってみるわ。」
 
そんなわけで、ココアソーダ作成実験開始。
いくつかの案を検討の後、濃く作ったミルクココアを炭酸で割る策を採用するにいたる。スーパーで炭酸水を入手し、いざ作戦決行。
 
森永ミルクココアをたっぷりとコップに盛り、少量のホットミルクで練る。ダマにならないよう、入念に。
アイスミルクを半分まで注ぎ、まぜる。ちょっと味見をすると、こってり濃厚な仕上がり。
さて、いよいよ真打ち、炭酸水だ。こいつを注いで…、おぉ、見事な泡立ち♪
では早速味見を。
 
………?
 
炭酸が効いてない?
 
そう、どうやら原液の温度が高すぎたため、豪快に注いだために炭酸が飛んでしまっていたのだ。
なんたる失態。
だが、原因さえ分かればこちらのもの。この私が同じ過ちを何度も繰り返すはずなど!
(や、実際は失敗リピーターですが…。もう、お得意さまどころかVIPだよ。会員証はきっとブラックカードさ)
 
とにかく、気を取り直して再挑戦。今度は原液を冷まし、炭酸水を静かに注ぐのだ。
 
………
 
できた…。
できた、できたぞ。
やったあ、やったあ。
うわーい。
クララが歩いた〜!
 
…いかん。取り乱している場合ではない。早速試飲せねばなるまいて。
しからば、いざ。
 
………
 
……!
 
酸っぱい!
 
そう、炭酸が酸っぱいのだ。酸味料など使わずとも酸っぱいのだ。
そして酸っぱさがココアのコクや苦みを殺してしまっているのだ。
まぁ、端的に言って、まずいのさ。
 
炭酸が合うのは酸味のある味なんだと、カルピスの炭酸割りを飲みながら考えた。
道理でファンタココアがないわけだよ。
 
あ、でもサンガリアとかが無謀にも商品化したりして。