脱シンデレラ

待っていた
 
約束が果たされるのを待っていた
 
僕ら二人が会い
約束が果たされるのをまっていた
 
どこかで会いさえすれば
約束は果たされるはずだった
 
そう信じていた
 
そう
事実僕らは会った
思いがけない瞬間に
 
二人とも約束を覚えていたが
その日は準備していなかった
 
そして時は流れ
約束はその色を失っていく
 
僕ら二人はまた会った
 
そこに行けば君がいるとわかっていた
 
だが
約束を思い出したとき
すでに準備する時間はなかった
 
僕は君にたずねた
いつになったら約束は果たされるんだろう
 
君は僕に答えた
ただ待っているだけなら
ずっと果たされないだろう
ついでではなく
約束のために会おう
 
 
僕は決めた
今夜君に会いに行く
君との約束を果たしにいく
待っているだけはやめた
手を伸ばしさえすれば
届くのだから